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家庭訪問で・アイデア編

 家庭訪問での訴えのひとつは「宿題をしないんです」ということ。宿題をせず、何をするかというと、漫画の本を読む、テレビを見る、寝る、おやつを食べるなど。宿題をする習慣がつかないという子どもをよく観察してみると、やはり宿題に取り組むための先行条件が整っていないように感じた。

 そこでまず環境を整えることから始めた。同学年の先生と話し合って、「宿題は漢字、計算、音読に絞ろう」ということにした。漢字は市販の漢字学習ノートを購入して、書き順や使い方などが一ページに表記されたものにした。この1冊を開けば、学習の準備ができるからである。(通常は漢字ドリルや教科書と100ます程度の漢字練習ノートを準備しなければならない)授業中に読み方、書き方を指導した残りの練習をすればよいことになっている。同じ漢字を繰り返し書くばかりの単調なものではなく、言葉を書くところ、文を書くところなど少しずつ変化をつけてある。

 集中が続かない子どもにとって、100ますの漢字ノートを埋める作業は、スタートからゴールまでがとても長く感じるのではという思いもあってこのノートを選択した。低学年ではよく使われているが、高学年ではあまり使わないと思うがあえて使うことにした。これで「何をどこまでやれば終わりなのか」ということはかなりわかりやすく設定でき、新出漢字の指導も丁寧に行うことができた。「かなりいいぞ」と一人ほくそえんだ。

 ところが、やはり2名の子どもがどうしても宿題をやってこない。二人とも漢字を書くことが苦手なようだ。はっきりとアセスメントしたわけではないが、読み飛ばしや勝手読みも見られることから丁寧な支援が必要と感じた。また、一人の子どもに関しては、「一人で漢字学習ノート3ページ分の練習をする」ということが困難なようであり、保護者も困っていた。

 そこで、記録を元に「一人で漢字ノート3ページ分の練習をする」を標的行動とした介入計画を立てた。ベースライン条件では、国語の時間に新出漢字について読み方を教え、読ませる、指書きで3回書かせて筆順を確認した後、漢字ノートのたどり書きを2回する。教師ができているか確認する。という手続きのあと「残りは宿題です」といって漢字練習ノートを持ち帰らせる。「帰宅したら、1ページ仕上げたら5分休み、2ページ目を仕上げたら5分休み、3ページ目を仕上げたらお菓子をもらって終了」という手続きをメモに書いて教えた(母親にも協力してもらえるよう話して承諾を得た)。しかし、現在のところこれだけでは効果なしである。自習ができるスキルを訓練する必要があるということである。

 そこで、介入1として個別指導の時間に上の手続きで自己学習ができるように練習させ、

プロンプトなしで、できるようになったら家庭場面での般化を測定してみようと思う。簡単なセルフモニタリングの練習だが、記録をとっているとだんだん面白くなってきたので、この手続きが本当に効果があるのか、試してみようと考えた。効果が見られた場合は、「宿題をする習慣がない」という子どもたちに随時試してみようと考えている。連休明けが楽しみ。

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手をつないでくれる人たち

 昨日は歓送迎会。最近、学校内の特別支援教育の推進について停滞気味でもやもやしていたが、その気持ちが一気に晴れた。

 ひとつは児童支援加配のA先生と特別支援教育について共通理解ができたこと。「どの子どもにも、その子に合った指導方法で力をつけていくこと」「子どもの能力のせいにしないこと」「特別支援教育について学習していくこと」をこれから進めていこうと話した。彼はそれを推進するよう計画を立てる立場にあるので、かなり心強く思った。彼とは新任の時に同学年を組んだが、それから3年、本当に良く勉強し、実践し、子ども達に誠実な先生に成長してくれたと感じた。

 もうひとつは、異動した特学担任だったB先生と話せたこと。異動先の学校でも特学を担任するようになった。昨年一年間の誠実で、地道な実践が評価されたと思った。今度は自閉症の子どもさんを担当しているとのこと。自閉症の子どもとのかかわりは初めてなので戸惑っているという話だった。でも、自閉症の子どもたちが適切な支援を受けることによって、大きく成長し、生活の質を向上させていくことができることを話すと、「何だかやる気がでてきた」といってくれた。せっかく「師匠」ともいえる子どもさんに出会えたのだから特別支援教育道」を極めて欲しいと思った。彼と話していて感じたのは、子どもに対する誠実な気持ちと子どもに良いと思ったことは、とりあえず取り入れてやってみるという柔軟な姿勢が素晴らしいということだった。

 手をつないでいける人が私の隣にいたことに気づいて、本当に幸せな夜になった。

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家庭訪問で

 学習についてかなり遅れが見られる子どもの家を訪問した。母親には率直に今の学習の進み具合について話をした。転校生なので以前の学校の対応を聞いたところ「居残り学習」をときどきしていたということ。個別指導に対する抵抗よりも、少しでもできるようになったらという願いが伝わってきた。通常学級においては、このような子どもや親に対してまずできることは、「こうしたら、このようにできるようになった」という事実を見せることだと思っている。たまたま、足をケガしていて体育の時間を個別指導の時間にとれるようになったので、きちんと計画を立てて取り組んでみようと考えている。

 また、高学年のこどもたちにとって親の心配事は「人間関係をうまく保つ」ことが一番であった。いやなことがあったとき、どう伝えるか、相手の気持ちをどんなことを手がかりにして察するのか。高機能自閉症のこどもたちへの支援と同じように、相手の気持ちの理解の仕方や、気持ちの伝え方などをどの子も練習する必要があるということも感じた。さて、学級活動や道徳の時間にどう取り組むか。課題をいただいたような気がした。

 家庭訪問でさまざまな保護者の願いを聞いているうちに、いろいろとアイデアがわいてきた。ご協力いただている保護者の皆様に感謝、感謝である。

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いろんな支援を通常学級で

 今年の同学年の先生には見習うところがたくさんある。昨年高機能自閉の子どもを二人担任していた。そのとき教室に入って子供達と少しの間遊んだが、とってもいい感じの教室だった。一つは教室環境が整っていて、整理整頓されていること。教室にはいろんな掲示物が必要で、例えば日直の仕事、給食当番表、掃除分担表、児童会からの連絡、時間割表、あげるときりがない。それを、すっきりと見せるような大きさ、形を工夫している。また、一目でどこに何があるかわかるように置いてある。その上、子供達の動きを予測して、一番混雑しにくく、効率よく物をとったりしまったりできるようにしている。

 教室はシンプルであり、もう一つ、学習方法は教科書をきちんと使って教えている。よく考えると、(考えなくても)教科書というのは学習の予定や方法の見通しが持てるように工夫して編集してあるので、とても分かりやすいものである。そのよさをうまく利用しているのが本当に素晴らしいと思う。

 すっきり、整頓、分かりやすい学習の仕方。時間通りに授業が終わる。これだけで子どもの気持ちはずいぶん楽になるのでは・・と思った。

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学校というところ

 学校というところは、本当に「実践知」を蓄積することができない。「作るの1年、崩すの三日」とか「作るの3年崩すの3ヶ月」とは学級つくりや学校つくりの上でよく言われる言葉。人が変われば、すべて変わってしまう体質。「システム」は作っても機能しないことはよくある話。それに教員は日々「一生懸命」です。そんなに「さぼって」はいないんです。でも、毎年同じことをするんだから、もっと効率的にやろうよ。「児童名簿」「学級連絡網」「教育資料票(子どもの家庭環境調査票)」「健康調査票」「時数管理」「カリキュラム管理」等等。「いい加減ぺーパーレスにしようよ」というと「大学院から帰ってきた人は違うね」と嫌味。そんな事務にかける時間があったら、もっと教育内容についてじっくり語ろうよ!といいたいのは、「わたしだけーですか?(BY だいたひかる)」

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3日で戻る教員体質

 2年間の大学院生活を終わって、福岡に帰ってきた。外側から見た学校は、やはり変なことがいっぱいに思えた。でも、学校にいると3日で何の不思議もないように感じる。「千と千尋の神隠し」では、その世界のものを食べると、人間のにおいがしなくなるという場面があった。私も学校で飲み食いしているから、すっかり学校のにおいと同化してきたのかもしれない。そんな自分がうれしいような、かなしいような。

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